10「02か、見事な切れ味だった。やはり難なくミッションをこなして上がってきたか」

「なにが、02か、だ。親玉みたいに登場してんじゃねーぞ」

「それはこちらのセリフだ、虹を背負って上がってくるなんてどんなボスキャラだろう」

「あのな、主人公側は普通ボスキャラとは呼ばねぇの。ほぅ、こりゃ鮮やかな虹だ、雨も上がって雲間からは光。水が滴ってるが、避けなかったのか?」

「同じ境遇、同じ状況になってこそ分かることがある。それを感じ、考えたかったからね、あえて外にいたんだ。ここは眺望がいい、強い雨だったがこの光景を見ることができるという価値に比べれば多少濡れることくらい」

「問題じゃねぇってことだな、見ろ、青空が広がってくのが疾ぇこと」

「風の如く、かな」

「そういうこったな(ニヤリ)。あの二人、おめぇの目からはどう見る」

「落とす必要はない、と考えている。今回の配役が君ではなく僕だったとしても同じだっただろう。重要なのは今後だ」

「大丈夫じゃねぇのか?受け止められるだろ。そういやあいつは一緒じゃねぇのか?」

「01かい?別行動でね、一緒には来ていない。しかしここには興味を持っているはずだ、君が来るくらいだからね。ここには逗留かはたまた旅出か」

「あたしゃあっちへ戻るぜ、叩っ斬らなきゃなんねーものが、まだ隠れてるだろうからな。10、おめぇが開けても面白かったんじゃねぇのか?あの瓶」

「別の方法で、という意味で言っているね。僕でも開けられただろう、当然だ。しかしね、どのような方法で、その理由はこれでと細かく説明するのは野暮というものだよ」

「そうさな、そういうのは粋じゃねぇ。そんじゃまた気が向いたら来るかもな」

「気が向いたら、か。それは君か、それとも」

「おっと、多くを語るべきじゃねぇぜ、じゃあな」

「あぁ、また会おう」

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